嘘100%より怖い。「真実3割」の情報を、私はもう鵜呑みにしない

最近、有名人の顔や声を使ったフェイク動画が問題になることが増えました。

生成AIの進化によって、

「本人が本当に話しているように見える」
「本物のCMのように見える」

そんな動画まで簡単に作れる時代になっています。

もちろん、これも怖い。

でも私は、それ以上に怖い情報があると思っています。

それは、

全部が嘘ではない情報です。

むしろ、

本当のことを3割くらい混ぜた嘘。

これが一番見抜きにくいのではないでしょうか。


全部嘘なら、まだ気づきやすい

例えば、知っている出来事について、最初から最後までデタラメを並べられたら、

「いや、それ違うだろ」

と気づける可能性があります。

ところが、

自分も知っている本当のニュース。
実際に起きた出来事。
実在する人物の発言。
本当に発表された数字。

こうした確認済みの事実をいくつも並べ、その間に少しずつ事実ではない情報を混ぜられたらどうでしょう。

しかも、その内容が、

「そうだったら嬉しい」

「やっぱり自分の考えは正しかったんだ」

と思わせてくれるものだったら。

人は疑うより先に、信じたくなってしまうのではないでしょうか。


「海外の反応」のような動画を見ていて感じること

私はいわゆる「海外の反応」系の動画などを見ていて、ときどき怖さを感じることがあります。

もちろん、すべての動画が嘘だと言っているわけではありません。

きちんと出典を確認し、誠実に作られているものもあるでしょう。

ただ、中には、

「これは本当に誰かが言ったことなのか?」

「この話の出典はどこなんだろう?」

と思うものもあります。

それでも動画の中には、自分がすでに知っている本当の出来事がいくつも出てくる。

そして、

「日本はすごい」
「あなたたちは正しかった」
「世界が絶賛している」

そんな聞こえのよい言葉が続く。

すると、途中から出てくる確認していない話まで、

「ここまで本当だったんだから、これも本当だろう」

と受け入れてしまいます。

私は、この構造がとても怖いと思っています。


人は「嘘」より「自分が信じたい話」に弱いのかもしれない

情報を信じるとき、

「本当か嘘か」

だけを判断しているわけではないのだと思います。

そこには、

「そうであってほしい」

という感情が入ります。

自分が好きな国が褒められる。

自分が支持している人が正しいと言われる。

自分が買った商品が絶賛される。

自分の考えが「実は正解だった」と言ってもらえる。

気持ちいいですよね。

だからこそ、危ない。

嘘を100個並べるより、

70個の怪しい話の中に、30個の誰でも確認できる事実を入れる。

そうすることで、残りまで真実に見えてしまう。

再生数を稼ぐために意図的にそれをやっているのであれば、私は少なくとも、詐欺的な情報操作と非常によく似た構造だと思います。


そして、その被害を受けるのは真面目にやっている人たち

これが広がると、最終的に困るのは誰でしょうか。

私は、真面目に商売している人たちだと思います。

本当に効果を検証して商品を販売している会社。

きちんと広告表現を確認してCMを出している企業。

実際に商品を購入して、正直なレビューを書いている消費者。

そういう人たちまで、

「どうせ広告なんて嘘だろう」

「口コミなんてサクラだろう」

「有名人が出ていても信用できない」

と思われるようになる。

一部の悪質な商売によって、業界全体の信用が削られていきます。


Amazonの「おすすめ」すら、そのまま信じられなくなった

ECサイトも同じです。

商品を探していると、

「おすすめ」
「高評価」
「レビュー多数」

そんな商品がたくさん出てきます。

昔なら、

「これだけ評価されているなら大丈夫だろう」

と思っていました。

でも今は、

「このレビュー、本当に購入した人が書いているのか?」

というところから考えてしまいます。

サクラレビューの問題が知られるようになり、星の数だけでは判断しにくくなりました。

本物の商品レビューまで疑われる。

これも結局、同じ問題です。

嘘が増えれば増えるほど、本当の情報まで価値を失っていく。


私自身、有名人を信用して失敗したことがあります

偉そうなことを書いていますが、私自身も一度、完全に信用して失敗しています。

以前、ある有名芸能人が広告に出ていたサプリメントを見ました。

「お試し500円」

という内容でした。

有名な人が広告している。

テレビでも何度も見たことのある人です。

だから私は、

「まさか変な商売ではないだろう」

と信用して申し込みました。

ところが、その後、私の認識とは違う形で定期購入扱いになっており、翌月から約16,000円の請求が発生しました。

驚いて問い合わせ、行政の相談窓口にも相談しました。

最終的には、この種の問題に関わった経験のある弁護士の発信を見つけ、相談することができました。

その助言を受け、私は自分の意思を内容証明郵便で明確に伝えました。

その後も商品が届くことはありましたが受け取らず、結果として大きな被害には至りませんでした。

私にとっては、最初の500円と内容証明郵便にかかった費用が「勉強代」になりました。


なぜ私は申し込んでしまったのか

今振り返ると、理由は単純です。

有名人が広告していたからです。

名前も顔も知っている。

テレビにも出ている。

そんな人が出ている広告なら、

「少なくとも怪しいものではないだろう」

と思ってしまった。

商品そのものをきちんと調べたわけではありません。

契約条件を十分確認したわけでもありません。

要するに、

自分で確認する代わりに、有名人の信用を借りて判断してしまった。

そこが私の失敗でした。

それ以来、どれだけ有名な人が宣伝していても、それだけを理由に商品を信用することはなくなりました。


今はAIがある。だからこそ使った方がいい

当時と今で大きく違うのは、情報を確認するための道具です。

昔は、一つの商品について調べるだけでも、

会社名を検索して、
口コミを探して、
契約条件を読んで、
過去のトラブルを調べて……

かなり時間がかかりました。

今はAIがあります。

例えば購入前に、

「この契約で注意するところは?」
「定期購入になる条件はどこ?」
「この表現で見落としやすいところは?」
「この情報の一次情報を探すにはどうすればいい?」

と確認できます。

数分でかなりの情報を整理できます。

これは使わない手はないと思います。


ただし「AIが言ったから本当」も危険

ここが重要です。

私は、

AIを使えば全部安心

と言いたいわけではありません。

AIだって間違えます。

存在しない情報を、それらしく答えることもあります。

だから私は、大事なことについては一つのAIだけで終わらせない方がいいと思っています。

私は、

複数のAIで確認する。

さらに重要な話なら、

最後は公式サイト、行政、企業発表、契約書など一次情報まで確認する。

これが一番重要だと思います。

AIを2つ、3つ使って同じ質問をしても、元になっている誤情報が同じなら、全員が同じ間違いをする可能性だってあります。

だから、

AIは「答えを信じる道具」ではなく、「確認するための道具」

くらいに考えるのがちょうどいいのではないでしょうか。


「時間がないから調べない」が一番危ない

私たちは毎日、大量の情報を浴びています。

全部を確認する時間なんてありません。

だから、

「有名人が言っているから」

「フォロワーが多いから」

「再生数が100万回あるから」

「レビューが4.8だから」

「専門家が言っているから」

「AIがそう答えたから」

そうやって、誰かの信用を借りて判断したくなります。

私もそうでした。

でも、本当に自分のお金や生活に影響するものだけは、

ほんの数分でもいいから、自分でも確認する。

今は昔より、そのハードルはずっと低くなっています。


嘘をなくすことはできない。だから、自分で確かめる

フェイク動画もなくならないでしょう。

誇大広告もなくならないでしょう。

サクラレビューも、怪しい動画も、情報商材も、これから形を変えながら出てくると思います。

AIが進化すれば、むしろ本物と偽物を見分けることはさらに難しくなるかもしれません。

だから、

「誰かが全部取り締まってくれる」

ことを期待するだけでは足りない。

最終的には、

自分に入ってきた情報を、自分でも一度疑ってみる。

これしかないのだと思います。

そして一番注意したいのは、

明らかな嘘ではありません。

自分が知っている真実が混ざっていて、

自分が聞きたい言葉を言ってくれて、

自分が信じたい結論へ連れていってくれる情報です。

それが一番気持ちいい。

だからこそ、一番怖い。

「これは本当であってほしい」と思ったときほど、一度調べてみる。

私自身、これからもそうしたいと思っています。


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