「太い幹線から枝分かれした線に、ブレーカーをつける位置ってどうやって決まるの?」
「テキストに出てくる35%とか55%って数字、一体何の割合なの!?」
第2種電気工事士の筆記試験で、計算問題と並んで重要・頻出が高く、絶対に落とせないのが、この「分岐回路の過電流遮断器(ブレーカー)の設置位置」と「モーター・ヒーターの保護装置ルール」です。
数字やパーセンテージだけを見ると難しく感じますが、その本質は「急に細くなった電線を、過熱や火災からいかに守るか」という安全対策そのもの。
この記事を読めば、試験によく出る「距離の落とし穴」や「モーターの焼き付き防止ルール」が理屈からスッキリ頭に入り、過去問の図解問題・計算問題が秒速で解けるようになります!
1. 原則は「3m以内」!電線が細くなる場所にはすぐガードマンを
太い幹線から細い分岐線へ:危険が跳ね上がる瞬間

Gemini先生、前回の幹線計算で太い電線の設計はわかったんだけど、そこから各部屋に枝分かれする『分岐回路』って、なんでわざわざ別のブレーカーをつけるの?





すごく良い質問です!道路で例えると、『高速道路から急に狭い路地に入る』のをイメージしてください。
幹線は太い電線なので大きな電流に耐えられますが、そこから枝分かれする分岐回路の電線は細くなります。もし分岐した先でショート(短絡)が起きたら、細い電線に大電流が流れ込んで一瞬でドロドロに溶け、火災になってしまいますよね。
💡 原則ルール
太い幹線から細い電線へ枝分かれするポイント(分岐点)には、原則として「3m以内」の位置に過電流遮断器(ブレーカー)を設置しなければならない!







細くなった直後の3m以内にガードマン(ブレーカー)を置いて、何かあったらすぐに電気を遮断できるようにするんだね!
2. 距離が伸びる魔法の数字!「35%・55%ルール」を完全攻略
「電線がタフなら、ブレーカーは遠くに置いてもいい」という緩和規定





でも、建物の構造上、どうしても分岐点から3m以内にブレーカーを置けない場所があったらどうするの?





そこが試験で大人気のポイントです!実は、『分岐する電線が十分に太くてタフなら、ブレーカーの位置を遠くに伸ばしてもいいよ』という例外ルールが存在します。
基準になるのは、「幹線のブレーカー容量\(I_B\)に対して、分岐する電線の許容電流\(I_W\)がどれくらい耐えられるか」という割合です。
分岐過電流遮断器の設置距離と電線の太さ関係
| 分岐電線の許容電流(IW)の条件 | ブレーカーまでの設置距離 | 安全の理屈・メカニズム |
| 原則(条件なし) | 3m 以内 | 電線が細いので、すぐ手前で守らないと危険! |
| 幹線の遮断器\(I_B\)の 35% 以上 | 8m 以内 | そこそこ太い電線だから、8m離れた場所でも耐えられる。 |
| 幹線の遮断器\(I_B\)の 55% 以上 | 制限なし(どこでもOK) | かなり太くて強い電線だから、どこに置いても安全! |
【実戦計算】パーセンテージを具体的な数字に落とし込む!





パーセンテージの公式って、実際の試験問題ではどうやって出題されるの?





具体例で解いてみましょう!例えば、幹線のブレーカー容量が \(I_B = 100\text{A}\) だったとします。
- 8m以内に設置したい場合:分岐線の許容電流 \(I_W\) は、幹線の \(35\%\) 以上必要なので、\[I_W ≧ 100\text{A} \times 0.35 = 35\text{A}\]つまり、\(35\text{A}\) 以上耐えられる電線を使えば、ブレーカーを8mまで離せます。
- 距離制限なし(どこでもOK)にしたい場合:分岐線の許容電流 \(I_W\) は、幹線の \(55\%\) 以上必要なので、\[I_W ≧ 100\text{A} \times 0.55 = 55\text{A}\]つまり、\(55\text{A}\) 以上耐えられる太い電線を使えば、設置距離の制限がなくなります!


🧠 【絶対に忘れない語呂合わせ】
・サンゴー(35%)は ハチ(8m)!
・ゴーゴー(55%)は どこでもGO(制限なし)!
3. モーターを焼き付きから守れ!「過負荷保護装置」の必須ルール
ブレーカーだけではモーターを守れない!?





ブレーカーの場所はバッチリ覚えたよ!次はテキストにある『電動機(モーター)の過負荷保護装置』だけど、普通のブレーカーじゃダメなの?





ダメなんです!ここが非常に大切なポイントです。
普通の配線用遮断器(ブレーカー)は、ショート(短絡)が起きたときの『超巨大な電流』を切るためのもの。
でも、モーターに荷物をかけすぎたり軸が引っかかったりして起きる『過負荷(オーバーロード)』のときは、ショートほど大きくないけれど、電線をじわじわ加熱して焦げ付かせる『嫌な電流』が長時間流れ続けます。


【保護機能の違い】
・配線用遮断器(ブレーカー) ────► ショート(短絡)時の大電流から「電線」を守る
・過負荷保護装置(サーマル等) ──► じわじわ流れる過負荷電流から「モーター本体の焼き付き」を守る
そのため、屋内配線で電動機(モーター)を接続する場合は、配線用遮断器とは別に「熱動継電器(サーマルリレー)付き電磁開閉器」や「モータブレーカー」といった過負荷保護装置の設置が原則義務付けられています。
【試験に出る!】過負荷保護装置を「省略できる」4つの例外





原則は設置必須だけど、省略できるパターンもあるの?





あります!試験ではむしろ『どんなときに過負荷保護装置を省略できるか』が直接問われます。以下の4つの条件のいずれかに当てはまる場合は、省略が認められています。
- 定格出力が 0.2kW 以下の小さなモーター(換気扇など、パワーが小さく火災リスクが低い)
- 運転中、常に人が監視できる場所にある(異常な音や煙にすぐ気づいて手動で切れる)
- 構造上、過負荷になる恐れがない(ファンやポンプなど負荷が急増しない構造)
- 電動機を保護できる専用の過電流遮断器や器具が設置されている
💡 暗記ポイント
「0.2kW以下」という数字は試験の超常連です!「小出力の0.2kW以下なら保護装置を省略OK」と暗記しておきましょう。
4. 電熱器(ヒーター)などの「手元開閉器」設置ルール
危険な熱源には「すぐ切れるスイッチ」を!





ヒーターとかの電熱器にも何か特別なルールがあるの?





はい!電熱器(電気炉や大型ヒーターなど)は直接『熱』を発生させる危険な器具です。そのため、万が一のときに作業者がすぐ電源を切れるよう『手元開閉器(スイッチ)』を設置するというルールがあります。
- 原則:電熱器の近く(目の届く場所)に専用の開閉器を設置する。
- 例外(省略条件):
- 定格消費電力が 3kW 以下 の小型電熱器で、コンセントプラグを抜くことで電源を切ることができる場合。
電気機器の容量(kW)によって安全対策が変わる点もしっかり整理しておきましょう!
5. まとめ&次回予告
今回は、分岐回路の安全設計のキモである「遮断器の位置ルール」と「機器の保護装置」について学びました!
本日の復習チェックリスト
- [ ] 分岐遮断器の原則:分岐点から 3m 以内 に設置
- [ ] 距離緩和ルール:
- 幹線の \(I_B\) の 35% 以上 の電線 \(\rightarrow\) 8m 以内
- 幹線の \(I_B\) の 55% 以上 の電線 \(\rightarrow\) 制限なし(どこでもOK)
- [ ] 電動機の過負荷保護装置:原則設置が必要(「単相15A以下/配線用20A 以下 などの小出力は省略OK)
- [ ] 電熱器の手元開閉器:原則設置1.5kW 以下 でプラグ接続なら省略OK)
よくある質問(FAQ)
Q1:幹線の過電流遮断器容量\(I_B\)が \(50\text{A}\) で、分岐線の許容電流\(I_W\)が \(20\text{A}\) の場合、遮断器は何m以内に置く必要がありますか?
A1: 割合いを計算します。\(\frac{20\text{A}}{50\text{A}} = 0.40 つまり 40% です。35%以上55%未満に該当するため、設置位置は 「8m以内」 となります。
Q2:配線用遮断器(MCCB)とモータブレーカーの違いは何ですか?
A2: 配線用遮断器は主にショート(短絡)時の大電流を切断する電線保護用です。モータブレーカーは、ショート保護機能に加えて、モーターの過負荷(オーバーロード)電流を感知して遮断する機能を併せ持った器具です。
次回予告
次回【Lesson 4-3】は、配線設計シリーズの完結編!「コンセントの組み合わせルール&分岐回路数の計算」を徹底解説します!
「20Aのブレーカーに15Aのコンセントはつけられる?」「家全体の電気容量から何回路に分ければいいの?」など、図記号問題や配線図問題で確実に得点できるテクニックをお伝えします。お楽しみに!
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