何もない新天地で暮らしてみたら、必要なものは思ったより少なかった

新しい土地で生活を始めるとなると、何を持っていけばいいのか。

着替え、布団、食器、調理器具、仕事道具。

考え始めると、あれも必要、これも必要となってきます。

今回、仕事の関係で関東から新天地へ、しばらく生活拠点を移すことになりました。

完全な引っ越しではありません。

関東の自宅はそのまま。

持っていける荷物にも限りがあります。

だから、出発前には自分なりにかなり考えて、必要なものを厳選したつもりでした。

ところが実際に生活を始めてみると、

「これ、持ってこなくてもよかったな」

というものが結構あります。

逆に、

「これは持ってきて本当によかった」

というものもある。

さらには、

「忘れたけど、別に困ってないな」

というものまでありました(笑)。

今回は、そんな新天地で実際に暮らしてみて分かったことを書いてみようと思います。

もちろん、これはあくまで私の場合です。

毎日部屋着を替えたい人もいれば、タオルは毎回新しいものを使いたいという人もいるでしょう。

私はかなり適当です(笑)。

なので、「これが正解」という話ではありません。

単身赴任や長期出張、二拠点生活などを始める方の、何かしらの参考になればと思います。


出発前、厳選したはずなのに無くてもよかった

まず、服。

私は部屋着と寝巻きがほぼ一緒なので、2、3着あれば今のところ十分です。

下着類は1週間分くらい。

敷地内にコインランドリーがあるので、3、4日に一度洗濯しています。

外出用のズボンも5本くらい持ってきましたが、実際には2、3本あれば回せそうです。

部屋着用も2、3本。

それで十分。

スーツも持ってきました。

革靴も持ってきました。

でも、今のところ一度も使っていません。

新拠点の立ち上げ当初は、行政関係の書類提出や準備作業が中心で、まだ取引先へ挨拶回りをするような段階ではないからです。

今の時期なら、ポロシャツ2、3着に洗えるジャケットが1枚あれば結構いけます。

下はジーンズでも、私は特に困っていません。

Tシャツで移動していても、窓口へ入る前にジャケットを羽織れば、それなりに見えます(笑)。

食器も5個くらい持ってきました。

今のところ、ほぼ使っているのはカレー皿1枚。

そのカレー皿で、オートミールを電子レンジで温めて食べています。

電子レンジ用の蓋も、大・中・小と全部持ってきましたが、使っているのは大だけ。

カレー皿にぴったりだからです。

延長コードも何本か持ってきましたが、2本くらいあれば足りています。

そして工具箱。

事務所を改装するかもしれないと言われたので、舞台美術をやっていた頃の経験もあり、

「それなら、ある程度工具を持っていこう」

と、割とガチな道具を持ってきました。

今のところ、

まったく使っていません(笑)。


少なくても何とかなった

タオル類も、思ったほど枚数はいりませんでした。

バスタオルは2枚。

今のところ、これで何とかなっています。

毎回新しいタオルを使いたい人は別です(笑)。

手拭き用も、トイレ用、台所用、洗面所用と全部そろえれば結構な枚数になりますが、私はかなり兼用しています。

洗面所はバスタオル。

台所は布巾。

トイレには1枚常備。

バスマットも1枚です。

洗濯のたびに洗っています。

乾かなかった時用に、もう1枚あれば便利かもしれません。

でも、今のところ1枚で何とかなっています。

それしかなかったら、それで何とかしようと思うんですよね。

それでもダメなら買えばいい(笑)。

コップも、マグカップなど3個くらいあれば十分。

箸も持ってきましたが、今はコンビニでもらった箸を洗って使っていたりします(笑)。

一方で、家でもよく使っていたキャンプ用の先割れスプーンは、こちらでも活躍しています。


忘れたのに、困らなかった

今回、結構ショックだった忘れ物があります。

炊飯器です。

積み込み直前まで、

「これは持っていく」

と思っていたのに、積み忘れました。

そして、ガスレンジも忘れました。

最初は、

「やってしまった……」

と思いました。

ところが生活を始めてみると、

別に困っていません(笑)。

ご飯を炊かない。

ガスレンジもない。

すると、持ってきた鍋、包丁、まな板の出番までなくなりました。

これには少し驚きました。

「必要だと思っていたもの」が一つなくなると、それに付随して必要だと思っていたものまで使わなくなる。

今の私の生活なら、電子レンジと電気ポットがかなりの部分を担ってくれています。

もちろん料理をする人なら、話はまったく違います。

でも私の場合、

「ないならないで、何とかなる」

ということを知っています。


これは持ってきて正解だった

逆に、

絶対に持ってきてよかった

と思っているものがあります。

自転車です。

出発の3日ほど前、専務夫婦が荷物を取りに来てくれました。

奥さんまで一緒に来ているとは知らなかったので、かなり驚いたのですが(笑)。

最後に、

「あと何かある?」

と聞かれて、私は最後まで、

「自転車」

と言っていました。

ただ、車にはすでにかなり荷物が積まれていたので、専務には一度却下されました。

そのまま一旦帰ったのですが、途中で戻ってきてくれて、結局、自転車を積んでくれました。

これは私の勝手な想像ですが、もしかすると奥さんが、

「実際に行って生活するのはあなたじゃないんだから」

とでも言ってくれたのかなと思っています。

今でも感謝しています。

その代わり、しっかりしたダイニングテーブルは諦めて、キャンプ用の折り畳みテーブル。

仕事用の椅子はバランスボールになりました(笑)。

でも私は、これでよかったと思っています。

地方都市では、都市部ほど移動手段が豊富ではありません。

ちょっとした買い物。

近所の散策。

書類提出。

毎回タクシーを使っていたらお金もかかります。

自分の意思で、好きな時に好きな場所へ行ける。

私の場合、片道5kmくらいなら普通に自転車で行きます。

これは本当に持ってきてよかった。

折り畳み自転車

他にも、持ってきてよかったと思ったものがあります。

踏み台。

部屋の天井が思ったより高く、シーリングライトを取り付ける時に一度だけ使いました。

でも、この一回がなかったら困っていました(笑)。

一応、椅子としても使えます。

ただ、パソコンを打つにはテーブルとの高さが合わず、仕事椅子としては使いづらいです。

小さなキャンプ用扇風機。

エアコンの風では強すぎる時に、これがちょうどいい。

エコバッグ。

サンダル。

ドライヤー。

洗濯かご。

モニター。

そして箱布巾。

テーブルを拭く。

手を拭く。

洗ってまた使う。

地味ですが、こういう何にでも使えるものは強いです。


暮らしてみて

最初から現地で買うつもりだったものもあります。

シャンプー、リンス、ボディソープ。

洗剤類。

地域指定のゴミ袋。

こういうものは現地調達でいいだろうと思っていました。

一方で、

「持ってきたから大丈夫」

と思っていたのに、大丈夫じゃなかったものもあります。

敷布団カバーです。

家に使っていないものがあったので、

「これを持っていけばいい」

と積みました。

現地で開けてみたら、

掛け布団カバーでした(笑)。

結局、敷布団カバーをAmazonで2セット注文しました。

マヨネーズも買いました。

本当は普通の大きいものを買いたい。

でも冷蔵庫がありません。

生野菜に塩だけでは少し味気なくなってきたので、お弁当用の小分けマヨネーズを買いました。

生活環境が変われば、買うものも変わります。

そして100円ショップへ行って、最初にカゴへ入れたもの。

ゴミ袋でもありません。

洗剤でもありません。

小さなサボテンでした(笑)。

サボテン

少し前、8年以上一緒にいたサボテンを亡くしています。

関東での引っ越しをきっかけに調子を崩し、胴切りまでしましたが、中まで茶色くなっていて救えませんでした。

だからなのか、見つけた瞬間につい手が伸びてしまいました。

「必要なものは少ない」

なんて話を書きながら、生活必需品でも何でもないサボテンを買っている。

人間、そんなに合理的にはできていないようです(笑)。


冷蔵庫も洗濯機もない。でも街にある

今、社宅には冷蔵庫も洗濯機もありません。

でも、ある程度の地方都市なら、少し歩けばコンビニがあります。

24時間営業のところもあります。

つまり、

歩いて行けるところに冷蔵庫がある

とも考えられます。

普段から割と引きこもり生活を送りがちな私にとっては、買い物へ行くこと自体がかなり億劫です。

でも冷蔵庫がないから、出かけざるを得ない。

結果として、関東の自宅にいる時より健全なのかもしれません(笑)。

洗濯も同じです。

コインランドリーまで行く。

洗濯物を持っていく。

途中で柔軟剤を入れに行く。

終わったら取りに行く。

そのたびに階段を往復。

正直、

面倒くさい(笑)。

でも、運動不足解消にはなっているかもしれません。

そういえば、初めて一人暮らしをした頃は二槽式洗濯機でした。

使い方がよく分からず、水を出しっぱなしにして洗剤を入れ、そのまま回していたことがあります。

そう考えれば、今のコインランドリーなんて相当便利です(笑)。

テレビもありません。

家の中で完結する娯楽も、関東の自宅にいる時ほどありません。

だからなのか、休日には近所の神社へ挨拶に行ったり、瀧を見に行ったりしています。

家の中に娯楽が全部揃っていたら、たぶん行かなかったでしょうね(笑)。

少し不便だからこそ、

「じゃあ今日はこっちへ行ってみよう」

と考える。

これはこれで結構楽しい。


ないなら、どうする?

今回、荷造りの時に使った平たい荷締めベルトも、意外なところで活躍しています。

本来は荷物を固定するためのもの。

でも、物干し竿がなければ洗濯紐代わりにもできます。

実際、カーテンが足りない場所では、カーテンとベルトをクリップで挟んで引っ張っています。

荷締めベルト

見た目はともかく、

機能しています(笑)。

そして今、事務所にはほとんど何もありません。

事情があって、何もない事務所で待機して仕事をすることになりました。

前日に、自宅にあった折り畳み椅子を2脚、社宅から手で運びました。

徒歩10分くらいです。

翌朝、自転車でパソコンを持って颯爽と出勤。

1脚には私。

もう1脚にはパソコン。

マウスを置くスペースなんてありません(笑)。

事務所の風景

「キャンプ用の折り畳みテーブルをもう一つ持ってくればよかったな」

と、ここへ来て思いました。

でも出発時の荷物はパンパンでした。

全部持ってくるのは無理です。

正直、現地で全部買ったっていいと思います。

ただ、私はどうも、

家にあるものをもう一度買うのがもったいない

と思ってしまう。

だから、あるもので何とかしようとする。

カーテンが足りないなら紐を使う。

机がないなら椅子を使う。

ちゃんとした仕事椅子がないなら、バランスボールに座る。

社宅の風景

私は昔から、

「自分なら何とかできる」

と思っています。

傍から見たら、何とかなっていないのかもしれませんが(笑)。

根拠のない万能感というより、

何か起きたら考えて、試して、使えるものを使って、どうにか形にする。

そして、その過程がたまらなく楽しい。

困った状況ほど、

「さて、どうする?」

と考えたくなる。

ある意味、異常者。

ある意味、変態の領域かもしれません(笑)。

キャンプもそう。

新しい仕事もそう。

自分がどこまでできるのか、試したくなる。

以前、終電を乗り過ごして、

「20kmくらいなら歩いて帰れるんじゃないか」

と歩き始めたこともあります。

結局、途中で始発が動き始めて乗りましたが(笑)。

たぶん私は、

自分に期待しているんだと思います。

「自分なら何とかできる」と。


家に残っているのは、「いつか」の成れの果て

こちらへ来てしばらく生活してみて、ふと思いました。

関東の家に残してきた物がなくても、

私、普通に生活できているんですよね。

家にはまだ、かなりの物があります。

カセットテープ。

フロッピーディスク。

CD。

「いつかHDDに移そう」

と思って残しているものです。

おまけでもらったフィギュア。

コミック。

小説。

意外にたくさんある心理学などの分厚い本。

食器棚と食器。

靴。

服。

タンス。

キャンプ用品。

テレビ。

使っていないパソコン台。

そして、芝居をしていた頃の稽古日誌。

服なんて、

「いつか着るかもしれない」

「芝居で使うかもしれない」

と残してきたものがたくさんあります。

気がつけば30年以上です(笑)。

「いつか」というのは便利な言葉です。

捨てなくていい理由にもなるし、決断を先送りする理由にもなる。

家に残してきた物の中には、

この「いつか」の成れの果てが、かなりあるような気がします。


必要なものと、大切なものは違う

だからといって、

「全部捨てればいい」

とは思いません。

今ここにないものがなくても生活できる。

それは事実です。

でも、

生活に必要ではないことと、自分にとって必要ではないことは、同じではありません。

芝居の稽古日誌なんて、その最たるものです。

今の生活に必要かと言われれば、

全く必要ではありません。

でも、あれは私にとって、

自分が生きてきた証のようなものです。

必要なものと、大切なものは違う。

今回、何もない新天地で生活を始めてみて、

暮らすために必要な物は、思っていたよりずっと少ないことに気づきました。

冷蔵庫がなくても何とかなる。

洗濯機がなくても何とかなる。

炊飯器もガスレンジも忘れたけど、何とかなっている。

しっかりした机や椅子がなくても仕事はできる。

足りないものがあれば、その時考えればいい。

一方で、

サボテンのように、別になくても生きていけるのに欲しくなるものもある。

稽古日誌のように、使わないけれど手放したくないものもある。

それでいいのだと思います。

もし今の事業がうまくいって、いつか本当にこちらへ引っ越すことになったら、

今度こそ、もっとミニマムにしよう。

そう思っています。

……と言いながら、

結局、ほとんど全部持ってくるような気もしていますが(笑)。

何を持っていくか迷っている方に、少しでも参考になるものがあれば嬉しいです。

足りなかったら、その時考える。

何とかなる、ということを私は知っています。

もし途中から読んでくださった方がいましたら、第1部から読んでいただけると嬉しいです。


まさまさのプロフィール

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