
交流の計算って、直流より急にむずかしくなる印象があるんだよね…。
ベクトル図とか角度とか、いきなり数学っぽいし。



わかるよ。その“むずかしさ”の正体は、電圧と電流の「位相差」。これさえ押さえれば、交流回路は一気に理解しやすくなるよ。
今日は、抵抗・コイル・コンデンサを組み合わせた交流直列回路と、その上で超重要な力率をいっしょに整理していこう!
■交流回路で電流を妨げるもの
交流では、直流と違って次の3つが電流を妨げます。
- 抵抗 R(オーム):熱としてエネルギーを消費する部分
- 誘導リアクタンス XL(オーム):コイルに生じる電流の変化を妨げる性質
- 容量リアクタンス XC(オーム):コンデンサが電圧の変化を妨げる性質
これらが直列で混ざって存在するのが一般的です。
■インピーダンス Z
抵抗とリアクタンスの“合わせ技”で電流を妨げる量。
計算式は組み合わせに応じて変わります。
- RL直列:Z = √(R² + XL²)
- RC直列:Z = √(R² + XC²)
- RLC直列:Z = √(R² + (XL − XC)²)
✅ポイント解説(電圧の関係・ベクトル図・力率)
■交流回路では電圧の“足し算”が直感と違う
直流のように
V = VR + VL
と単純には足せません。
理由は、VL や VC が電流より進んだり遅れたりして向き(位相)が違うから。
そのため、交流ではベクトル図で向きを考えて足します。
■ベクトル図の基本(電流を基準にする)
- 抵抗 VR:電流と同相
- コイル VL:電流より 90° 進む
- コンデンサ VC:電流より 90° 遅れる




■力率 cosθ の考え方
力率とは電圧と電流の位相差のコサイン。
\(力率 cosθ = \frac{R}{Z}\)
抵抗だけなら電圧と電流が同相なので cosθ = 1。
コイルやコンデンサが増えるほど位相差が出て cosθ は小さくなります。




✅具体例や計算例
■例題‐1 R と L の直列回路
R = 3Ω、XL = 4Ω、V = 100V
- インピーダンス
Z = √(3² + 4²) = 5Ω - 電流
I = V / Z = 100 / 5 = 20A - 電圧
VR = I × R = 20 × 3 = 60V
VL = I × XL = 20 × 4 = 80V


■例題‐2 R と C の直列回路
R = 12Ω、XC = 16Ω、V = 100V
- Z = √(12² + 16²) = 20Ω
- I = 100 / 20 = 5A
- VR = 5 × 12 = 60V
- VC = 5 × 16 = 80V
■例題‐3 R・L・C の直列回路
R = 3Ω、XL = 5Ω、XC = 1Ω、V = 100V
- リアクタンス差
XL − XC = 5 − 1 = 4 - Z = √(3² + 4²) = 5Ω
- I = 100 / 5 = 20A
- VR = 20 × 3 = 60V
VL = 20 × 5 = 100V
VC = 20 × 1 = 20V




📑まとめ(重要ポイント)
- 交流回路では電圧と電流に位相差がある
- 抵抗は同相、コイルは進む、コンデンサは遅れる
- インピーダンス Z は抵抗とリアクタンスをまとめた量
- 電圧は向きを考えてベクトルで足す
- 力率 cosθ = R / Z
- 直列の RL、RC、RLC はベクトル図で整えると理解しやすい



ベクトル図のおかげで、なんで電圧の足し算が変になるのか腑に落ちたよ…!



よかった!次回は、この力率と電力の関係をさらに深掘りする予定だよ。
交流ならではのおもしろさがもっと見えてくるはず!
この記事へのご意見・ご指摘・ご感想をお願いします
記事の内容は入念にチェックしておりますが、万が一、誤った情報や古い情報、解釈の違いなどお気づきの点がございましたら、遠慮なくサイト一番下コメント欄でご指摘いただけますと幸いです。
また、「勉強になった!」「私もそう思います」といった記事のご感想も大歓迎です。
皆さまからのフィードバックが、サイトの質を高める力になります。ご協力よろしくお願いいたします!
詳細な免責事項や広告に関するポリシーについては、[免責事項ページへのリンク]をご確認ください。
【資格覚書】第二種電気工事士
🔋 Lesson 1:電流・電圧・抵抗
💡Lesson 2 電力と熱量
🔌Lesson3:導体と絶縁体
🧲Lesson4 電磁誘導の仕組みをわかりやすく解説
📝【Lesson5】直列回路と並列回路のきほん
📝【Lesson5】(2)直列と並列の“分圧・分流”をわかりやすく解説!
🧩【Lesson5】(3)応用編:ブリッジ回路の基本
🧩 Lesson6 電池とコンデンサのきほん
🧩Lesson7 交流の性質①|交流の波形と基本用語をやさしく解説


コメント