
交流の電力って、直流とは違うって言われるけど…どう違うんだろう?
「電圧×電流」じゃダメなの?





いい質問!
交流は電圧も電流も時間とともに常に変化しているから、直流のように単純に掛け算すれば良いわけじゃないんだ。
さらに「位相のズレ」がある負荷だと、電力の考え方が大きく変わるよ。
今日のレッスンはそこを一気に整理しよう!
【抵抗のみの負荷:電力は“VIそのまま”】
■ 抵抗負荷は「電圧と電流が同相」





抵抗だけならシンプルって聞いたけど?





そう。抵抗だけの回路(電熱器・白熱電球など)は
電圧と電流がまったく同じタイミングで変化=同相。
だから瞬時電力(p = v × i)も常に正。
1周期で平均すると…
👉 交流電力=V(実効値)× I(実効値)
つまり直流と同じだよ!
【抵抗+コイル:位相がズレると電力は減る】
■ 電流は電圧より“遅れる”





蛍光灯とかモーターって、抵抗だけじゃないんだよね?





そう。抵抗とコイルが混ざると、
電流が電圧より位相遅れ(θ)になる。
このときの電力はこうなるよ。


👉 有効電力 P = V I cosθ
負の電力の期間が生まれるため、
同じ V・I でも抵抗だけのときより電力が小さくなる。これを「力率が下がる」と言うんだ。
■ 力率とは?





cosθ の値=電力として有効に使える割合で、
回路ごとに異なるよ。
例(概数):
- 白熱電灯:100%
- 蛍光灯(低力率形):60~85%
- 水銀灯:90%
- モーター類:80~90%





種類によって全然違うんだね!
【コイルだけ・コンデンサだけ:電力は消費しない】





じゃあコイルだけとかコンデンサだけだったら?





この場合は位相差が90°(π/2)
だから cosθ = 0
👉 有効電力 P = 0
つまり、
電力は消費しない(熱にも運動にも変わらない)
でも電流は流れているので「皮相電力」は存在するよ。
【有効電流・無効電流・皮相電流】
■ 電流は2つに分けて考える





交流の電流 I は、次の2つに分けられるよ。
- 有効電流(Iₚ):電力として使われる成分
- 無効電流(Iₛ):電力として使われない成分
そして全体の電流 I は、
直角三角形で表される「皮相電流」。
- 有効電力 P = V I cosθ
- 無効電力 Q = V I sinθ(単位 var)
- 皮相電力 S = V I(単位 VA)
これらは
S² = P² + Q²
の関係で成り立つよ。


【今日のまとめ】
📌 抵抗だけ
→ 電圧と電流は同相 → P = VI
📌 抵抗+コイル
→ 電流が遅れる → P = VIcosθ(力率)
📌 コイルのみ/コンデンサのみ
→ P = 0(ただし電流は流れる)
📌 電力の三角関係
→ 皮相電力 S、 有効電力 P、 無効電力 Q に分かれる






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